夫婦は勝ち負け?その2
ケンカするのは「相手へ期待があるから」
だとしたら、ケンカしないカップルは大丈夫なの?っていうところで昨日は終わりました。
相手への期待があるからこそ、小さなイライラが生まれてそこからケンカに発展してしまうと、昨日書きました。人は相手に対して「(きっと)相手は○○な人であるだろう」と、いつも自由に期待しているのですよね。自分の都合の良いように期待しているのですから、「勝手に期待している」とも言えます。
夫婦は勝ち負け?その1の続きです。
もくじ
期待という名の迷惑?
ただ、そんな期待をかけられた相手からすると、たまったものじゃないと思いませんか。
だって、そうじゃないのに、そうだと思われてしまっているわけです。期待をかけられた相手からすれば、「相手の思うような人間じゃない」こともあるわけですから。つまり、「期待されるような人間じゃないのに、期待されてしまう」という理不尽な状況。そして、怒られたり、さげすまれたり、嫌われたり。何が起きたのか、わけがわからなくなることもあるでしょう。
そもそも、人は誰かの期待に応えるために生きているわけではありません。あなたも、私も。旦那さまも。
熱いお風呂とぬるいお風呂
人には必ず、この温度差があります。皮膚を隔てたひとりひとりの人間である以上、ひとりひとりに適温があります。
誰しも、自分のお風呂の温度がちょうどいいんです。
あだからといって、相手に対する期待値を下げて接しましょうというのではありません。期待値を下げるどころか、むしろ期待しないのがおススメです。
期待しないっていうと、何か突き放すようなイメージもあるかもしれません。あまりいい響きがしないなーと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ただ、期待しないというのは、「あきらめる」のとは違います。間違いやすいですが、期待はしない。そして、あきらめているわけではない
それってどういう状態のことを指す?
先ほど書いた「誰しも、自分のお風呂の温度がちょうどいいんです」という言葉。その温度を好んでお風呂に入っている人を、とやかく言う権利は誰にもありません。私の適温と相手の適温をそれぞれ尊重しましょうよ、ということです。
妻「あなた、熱いお風呂なんて長く入っていられないじゃない?」
夫「お前、ぬるいお風呂なんて入った気がしないんじゃない?」
この会話、どう思われますか。好きな温度は人それぞれですから、お互いに余計なお世話のし合いっこになってしまいます。このことと同じように、相手がどうであれ、それは相手のこと。
その人をその人として見る
自分の都合良いように解釈するのではなくて、ありのままを見ていって、その存在を認めることです。その人のちょうどいい温度はその人のものなんです。
自分のお風呂と相手のお風呂、温度が違うんです。皮膚が違うんだから、感じ方も違うんです。
熱いお風呂が好きな人に、冷水たっぷり入れたら怒ります。ぬるいお風呂が好きな人に、ガンガン沸かしまくったら怒ります。お互いに歩み寄って、適温を作ればふたりでのんびり入れますよね。
『 私はこんなふうだと○○な感じがするわ 』という気持ちを伝える
○○に入る言葉はたくさんあります。感じた気持ちそのものを入れていきます。
相手をまるごと、そのまま認めて、さらに、相手にどんな気持ちになるのかを伝えていくこと。そして、自分がどうだと良いのかを伝えていきます。最後に、自分もこうしていくよ、という想いも伝えます。
そして、これができると一気にケンカが減るはずです。ただの指摘や怒りではない、あなたの気持ちを込めて伝えていきます。
例えば、いつも食卓テーブルに、私物を置きっぱなしにしがちなダンナさんへ
*妻であるあなたが「もう!何度言ってもここに置きっぱなしなんだから!」というような場合
ねぇ、あなたがここに置いている○○、私、壊してしまいそうで心配なの。
大事なものだと思うから、しまっておいてくれると嬉しいな。
私もここに置いたままにしないように気をつけるね。
いかがでしょうか。こんなふうに言えたら、トラブルも減っていきそうに思いませんか。
次の2種類の感情、組み合わせるとどうなるでしょうか
困っている感情
私は話を聞いてもらえないと、悲しい
私は急かされると、さびしい
私は大きい声を出されると、こわい
私はご飯を黙って食べられると、悲しい
こうだったらいいなと思う感情
私は話を聞いてもらえると、嬉しい
私は同じ歩調でいてくれると、楽しい
私は目を見てやさしく話してもらうと、幸せな気分になる
私はご飯を会話しながらゆっくり食べられると、安心した気持ちになる
困っている感情とこうありたい感情の組み合わせ
私は話を聞いてもらえないと、悲しい
または
私は話を聞いてもらえると、嬉しい
そして
私もあなたの話をちゃんと聞くようにするからね
一言、自分がどうしていくかを付け加えます。
いかがですか。ケンカしないカップルは、きっとこんな素敵なことができているんですね。そこには相手への信頼と尊重、愛情がたっぷり存在しています。
言葉という、ふわっふわのボール
私も夫に、すごく期待と愛情があるからケンカになります。でも、この言葉かけを意識してからは、ケンカが減ったと感じています。
言葉かけは、プロの投手が投げるような豪速球では相手が受け取れません。
- 2歳児が受け取れるほどのスピードでふんわり
- 柔らかいボールをそっと手渡すように言葉を渡す
それが、いざこざを減らすポイントです。
ひとつの愛が壊れるというのは、ひんやりとした氷のようです。真冬の水たまりにできた薄氷のように、そっと踏んでもくあっという間に砕け散ってしまうような。本当に愛が終わるときは、ケンカにすらならなくなります。言い合いさえしなくなります。相手に「諦め」や「呆れ」が増えると、相手のことはどうでもよくなってくるんです。
だんだん相手への想いが自分のなかから切り離されるわけですから、口を聞くのも面倒になるというか。相手に関心がなくなるというのが、その始まりの気がします。
ケンカは仲が良い証拠とも言われますけど、熱いケンカをしているうちは、まだまだ全然オッケー。「修復の余地」ありなんじゃないかなって私は思います。