「理想の家族」を描き過ぎた家族の苦しみ
自分らしくって何だろう?という問いを繰り返しながらオトナになってみると、ある構図が見えて来ました。それは家族の誰もが窮屈を感じながら暮らす日常で。
もくじ
「理想の家族」を描き過ぎた家族の苦しみ
正しい恋愛の悩み方:愛のトリセツ、自分の家族を持ちたいと思いながら一歩が苦しいあなたへメッセージです。
今日のテーマは少し重いように感じるかもしれませんが、心の奥の記憶を辿ってみると意外と多くの人が感じていることなのかもしれません。
特に、人との関係性に距離を感じたり、不安や疑念を感じたりしやすい人にありがちなことのように思います。
小さな頃からちょっと無理をして生きて来た人にとっては、そういう家庭の構図がもしかしたら日常となっていた可能性があります。
そしてそれが、オトナになってからの、特に親密性に重きを置くことの多い恋愛や結婚において心の不具合を生じてしまっているのでしょう。
ということで、今日も3つに分けてお伝えする愛のトリセツ、はじめます。
理想の家族を目指したいワケ
ある30代女性のお話です。仮に貴代美さんとしましょう。
厳しい両親に育てられた貴代美さん。3歳年下の妹がいました。思い起こせば両親はいつも言い合いをしていて、それが小さな貴代美さんにとってはとても恐ろしく感じていました。
お父さんとお母さんは仲が悪い
それを見ているのも悲しいし、激しく罵り合う両親がイヤで、耳をふさぎたくなるような言葉を投げつけ合う両親に恐ろしさも感じていました。
絶望にも近い想いを抱きながら、部屋の隅っこで本を読むフリをして視界の端っこで見ていました。
子ども心にはよくわからないケンカの内容だったけれど、貴代美さんが少しずつ成長する中で気づいたことがあります。
それは・・・
お父さんはお母さんに自分の考えを押し付けて、お母さんはお父さんに自分の考えを押し付けて、互いの意見をはねのけ合っている
そんなふうに貴代美さんの目には見え、耳にはそう聴こえていました。
よくよく考えてみると、貴代美さんに対しても妹に対しても、両親は「自分の理想」を押し付けていました。
私のことを考えて、というよりも、親の都合で意見してきている・・・と、そんなふうに感じていました。
今でこそ「両親は、父は父の、母は母の、理想の家庭をつくることに必死だったんだ」とわかるのですが、でも貴代美さんは「それって可能なこと?」と疑問に感じていたのです。
崩れていく理想の家族
とはいえ、家族のひとりひとりが「それぞれ違う心」を持っています。
心が違えば、感じ方も考え方も違うのです。たとえ同じ遺伝子を持っていたとしても。
それでも貴代美さんの両親は、なんとか自分の理想の家族の一員に貴代美さんがなっていくように仕向けて行きました。
まずは勉強、そして食生活、行動範囲、友人関係。
あらゆることに口を出し、親の言うことを聞かないと激しく叱られました。
これを「あなたのため」みたいに子どもへの愛情のようにされるものだから、子どもにとってはたまったものではありません。
こんなふうに「親の理想」で子どもを育てて、子どもの感受性や自由な心の芽を摘み取ってしまう親は、少なくないと思います。
あれをしなさい
これをしなさい
あれをしてはいけない
これをしてはいけない
あの子と遊びなさい
この子と遊んじゃだめ
などなど・・・。
そういった制約に阻まれた自由な感情、自由な心はどこへ消えてしまうのでしょう。
壊れてから生まれる貴重なモノ
いえ、実は閉ざされた自由な心は、けして消えることはありません。
自分の心の奥の奥に閉じ込められたまま凍り付いているのです。
あなたが本心に気づいて、自由な心で自由な感性で自分を楽しみながら人生を思うがままに生きていくことを、閉ざされた奥の奥で待っているのです。
それはまさに、本当の自分を迎えに来て!と言っているかのような面持ちで。
親がどんなに理想を描こうと、子どもの心の自由さや屈託のなさ、本来の子どもらしさまで奪うことは、育児の本質を無視しているように感じます。
本人の命の危険が及ぶこと
他人に危害を及ばせるようなこと
そして、ひとりでも逞しく生きていくための術を自分で模索していく好奇心や行動力をつけていくこと
生きていくために、他者と関わるために必要な最低限のことを教えて、それを子どもが身に着けることと、それを見守ることこそ、親の役目なのではないでしょうか。
貴代美さんも貴代美さんの妹さんも、厳しい両親のもと、自由を奪われたような子ども時代を過ごしました。
でも、成長するにつれてますます感じるこの違和感に、どうにも居心地の悪さがあって、それから自分自身を立て直していくことに決めました。
婚活をしてもなんとなく人との距離感がアンバランスになってしまう。
それは例えば、いつまでも距離が縮まらなかったり、また逆に近づき過ぎて相手から疎ましく思われてしまったりすることに。
結婚しても、旦那さんとの関係性がギクシャクしやすい。
それは例えば、両親のように厳しくし過ぎないようにと意識するあまり、相手の言いなりになってしまったり、子どもが野放しになってしまったりすることに。
知らず知らずのうちに、自分自身も「理想を掲げてしまっていること」や、「理想を描かないようにすること」に注視してしまって、なんとなく四角い関係性を人との間につくりやすかったりするのです。
それは、とりもなおさず心の奥で信じ込んでしまっていることがあるため。
それに気づいて取り除いてあげること。
頭で「こうしなきゃ」と描くより、心で体感して「こうしていこう」と思えるようになること。
たとえ記憶にないようなことでも、今、手に握りしめている不要な思い込みは手放していくことが出来ます。
そしてそれこそ、親の理想からの初めての卒業と、自分自身の本当の人生への旅立ちでもあります。
stand.fm音声配信|「理想の家族」を描き過ぎた家族の苦しみ
stand fmにてラジオパーソナリティとして、音声でも配信しています
では改めて、今日のメッセージ
「理想の家族」を描き過ぎた家族の苦しみ
なんとなく人との関係性、距離感に居心地の悪さを感じてしまう、というあなたはご相談ください。