子育て:良い子に育ちますように、の「良い子」って?

おせっかいな割に気分よく過ごせる愛のトリセツ第53日目

 

今日は水曜日。子育てしているあなたに向けてのメッセージ。

 

子育て:良い子に育ちますように、の「良い子」って?

 

  • そんな悪い子、ママ知りません
  • 良い子にしているとおやつをあげるね
  • 〇〇さんちの△△ちゃんはあんなに良い子なのに

 

って、あなたが小さい頃、お母さんに言われたことはありませんか?

 

私はある。

ありますとも。

 

言われてどんな気持ちだったか、詳細は忘れても「言われたこと」は覚えてるものですね。

どんな気持ちだったか忘れてしまっていても、「なんとなくこんな感じだったんじゃないかな」というのは今も感じることはできます。

 

さびしさ

 

そう「良い子になりますように」っていう願いは、子どもにとってさびしさなんですよ。

 

 

お母さんにとっての良い子って?

 

そんなことを考えていた私も、29歳で長男を出産して母親になりました。

やんちゃな我が子は、成長するにつれ自我がも芽生え、私の思っていた子育ては、長男の天下無敵な生き方に打ち砕かれます。

 

本当は「男の子を3人産みたい!」と思っていた20代でしたが、長男をたったひとり産んだだけで、「男の子はもういい」という考えに変わってしまいました(笑)。

 

育児に疲れたというより、自分の思い通りにならない育児に疲れて、何かというと「良い子に育ちますように」なんて願っていました。

 

神社を見かけるたびに祈り、小さなお地蔵さんを見かければ祈り、流れ星を運よく見かければ願っていたように思います。

 

私は息子をどんな良い子に育てたかったんだろう?

私の言う「良い子」ってなんだったんだろう?

 

当時の私を目の前に座らせて、小一時間問い詰めたい気持ちです(笑)。

本当に今思い返すと不思議で、私は何を目指していたのだろう?と感じるのです。

 

もし今、あなたが、あなたのお子さんに対して「良い子になりますように」と思う瞬間があるとするなら、あなたの言う「良い子」ってどんな子どもなんでしょう。

 

  • 勉強のできる子?
  • 誰とでも仲良くできる子?
  • お片付けが上手な子?
  • おしゃべりがよくできる子?
  • ご挨拶ができる子?
  • お絵描きがうまい子?
  • かけっこが速い子?
  • みんなに好かれる子?
  • 何でも好き嫌いなく食べる子?
  • お母さんの言うことを聞く子?

 

私ね、今なら堂々と答えられます。

そのどれもができなくても、そのどれにも当てはまらなくても、あなたはかけがえのない子だと。最高な宝ものだと。

 

良い子なんてどうだっていい。

かけがえのない存在にありがとう、と。

 

まもなく31歳になる息子が、これを聞いたら「当たり前だろ」と笑うような気もしますが、厳し過ぎた幼少期の私のことを想い出して「何を今さら」とちょっと呆れるような気もします。

 

 

妊娠が判った頃のあなたの想いって?

 

28歳の冬、第一子を妊娠した私は、「無事生まれてきますように」って、ただただお願いしていました。無痛分娩を調べまくるほど、出産の痛みに早くもおののいていました。育児書や育児雑誌の妊娠・出産のトラブルなどの記事を読んでは、胸がチクチク痛んでいました。

 

我が子の失敗談とか、カワイイお食い初めのお料理みたいな記事があっても、ネガティブな記事ばかり拾っていました。

 

それだけ自分のこれからに、不安を抱えていた証拠です。そしてその不安を、夫婦で分かち合えていなかった証拠です。

 

  • 自分に自信がない
  • 自分が信用できない
  • といって人を頼れない
  • 甘えられない

 

私には、自分の子どもさえちゃんと育てる自信がありません

だから、どうか、良い子を授けてください

 

という自分都合な考え方をしていました。

 

 

出産当日、どんなことを感じていましたか?

 

1989年の9月のある朝、5分間隔の陣痛のなか、私は、「無事に産めますように」って思いながら腰痛とお腹の張りに耐えていました。

 

今思えば、そこでも「私」中心なお願いでした。

 

どうかこの痛みがこれ以上痛くなりませんように

産むときは出来るだけ痛くないようにお願いします

 

怖がりで痛がりの私は、妊娠と同時に、この出産の痛みに怯えて10か月過ごしてきたのですから。

 

それが、想像を絶する痛みの嵐の後、生まれてきた我が子と初めて会った瞬間、「私中心な私」から「子ども中心の私」に、一瞬で変化したように思います。

 

あの身を切り裂くような痛みはウソのように消え、幸福で穏やかな時間に包まれて、あの時私は、「ここに来てくれてありがとう」って感じていました。子どもの体温に、感じたことのない喜びの熱さをただただ感じていました。

 

あの一瞬が本来の、真実の母の想いです。

 

10か月一緒に、一心同体のように過ごしてきた赤ちゃんの姿を見た瞬間に、「良い子に育ちますように」なんてことは考えもしません。

 

  • この子が一生幸せであるように
  • 何の苦労も起きませんように
  • この子の人生が喜ばしいものでありますように

 

そう願ったとしても、そこに「良い子になりますように」なんて言葉は出てきません。3時間ごとのふたりきりの時間にも「元気に育ってね」って願っていました。

 

子どもの成長はめざましいものです。

 

  • あっという間に寝返りをするようになり、ハイハイをして、つかまり立ちをする。
  • よちよち歩きから、トコトコ歩きになり、走れるようになる。
  • 母乳やミルクから、離乳食になって、大人と同じご飯が食べられるようになる。

 

手がかかっていたことがかからなくなっていき、目が離せなくなるころ、別の手がかかるようになっていきます。

 

 

扱いやすい子は「良い子」なのか?

 

「無事に生まれてきますように」という想いが、いつしか「良い子に育ちますように」と変化する頃。

それは、新米ママ業が思う通りに行かなくなり始める頃だったと記憶しています。

 

  • 育児書通りにいかない
  • 近所の〇〇ちゃんはできるのにウチの子はできない
  • ウチの子はおとなしくしていられない
  • お友だちと仲良く遊べない

 

そのひとつひとつが、私の哀しみのようになりました。

 

「良い子」じゃないって思われて育つ子ども。

「良い子」じゃないって思いながら育てる子育て。

それは母も子も、つらいのです。

 

母の都合で子は育つわけではありません。

 

  • よく食べてよく寝る子
  • 人に迷惑かけない子
  • 自分のことは自分で出来る子

 

これらは「良い子」と呼ばれる典型ですが、なんで良い子かというとお母さんがラクだからです。

 

そして危険なのは、お母さんにとって「良い子」は、当人にとってもイコール「良いこと」とは限らないのです。

 

お母さんの存在は、小さい子どもにとっては「命」です。

嫌われてしまっては「命」の危機です。

 

実際、お母さんに嫌われたくなくて、お母さんの困った顔を見るのがツラくて、お母さんの言うことを聞く良い子になってしまい、大人になってから苦しむ人は少なくありません。

 

  • 食べものの好き嫌いたくさん
  • 眠りが浅かったり、お昼寝しない
  • いつも周りに迷惑かけまくっちゃう
  • 自分でやるとぐちゃぐちゃで手がかかる

 

これって、すごくすごく自然。

すごくすごく子どもらしい。

 

だって、子どもって何にもできないんですもの。

それでも、可愛らしくて愛おしい存在。

それでも、オトナよりずっと何ごとにも諦めずにたくましい存在。

 

  • しつこいくらいに駄々こねたり
  • 転んでも立ち上がる気力はものすごい
  • 好奇心の芽は次から次へと生えてくる

 

親の願い「良い子」が、その子のそういう「個性」をつぶしてしまうことだってあるんです。

 

特に、お母さんに嫌われたくなくて、お母さんの困った顔を見るのがツラくて、お母さんの言うことを聞いてしまう子は要注意です。

 

厳しいママに育てられた良い子

 

私のママ友に、物凄く厳しいしつけをするママがふたりいました。

よその子にはとても優しいのですが、自分の子にはめちゃくちゃ厳しい。

 

ひとりのママは、息子と同じ歳の女の子のママ。

もうひとりのママは、娘と同じ歳の女の子のママ。

どちらも女の子のママでしたが、怒ると物凄く怖いのです。

公園やお友だちの家でも怖かったですが、その子の自宅だともっと怖い。

なぜわかるかというと、外まで声が聴こえるからです。

外というか、私が家に居ても、その家からそのママの怒る声が聴こえるからです。

 

私も子育て中、厳しいママだった方に分類されると思っています。子どもを怒鳴ることも叩くこともありました。

 

それでも、なぜそのふたりのママのことをそんなに記憶に残しているかというと。

 

「え?それくらいのことでそんなに怒るの?」

 

ということばかりだったからです。

 

それが、「おもちゃを誰かに貸せない」「友だちを叩いた」「兄弟姉妹をいじめた」とか、そういうことじゃありません。

 

「ママの言うことを聞かない」時にとっても怒るのです

 

それってどういうことかというと「親への反論はナシ!」というしつけです。

「口ごたえ厳禁!」みたいな感じです。「問答無用!!」みたいな。

お母さんの言うことは「絶対!」なのです。

 

いやいや、めちゃくちゃモヤモヤしてましたよ、32歳頃の私は。

 

それでも、その子たちはそのママが大好きなんですよ。

一生懸命ママの言うことを聞こうとしていました。

 

こんなふうに、傍から見たら「やりすぎ?」って思うような子育てでも、その子にとってはかけがえのない大切なママなんです。

 

その女の子たちは、小学生・中学生・高校生になっても、グレたり、表裏があるようなお子さんに育ってはいません。ただ、ひとつだけ気になったのが「言いたいことが言えない」子どもだったことです。

 

その子たちが幼稚園・小学校低学年の頃、その子とウチの子が一緒に遊んでいる時、その子のママが近くにいない時に何か尋ねても「自分の考えが言えない」のです。もしくは「ママに聞いてみないとわからない」と返ってきます。そして、大人のちょっとした動作にもビクビクしていました。

 

子どもは人に迷惑かけながら成長していきます。いろんな人の手を煩わせながら、その煩わせた数だけ、大人になるにつれ恩返しができるようにもなります。

 

自分のことが自分で出来る子は、最初から出来る子もいるでしょうが、人にいろんなことをしてもらって覚えていくパターンだってあるのです。

 

 

「良い子」になんて育ちません

 

誰もが元々そこにいるだけで「良い子」だからです。

 

いえ、「良い子」なんてものではない。その存在が「素晴らしいこと」だから。

 

そして、子どもって何十歳になっても親にとっては「子ども」です。

 

30歳でも40歳でも50歳でも、子どもは子ども。

 

親から注がれる愛情は、生きているうちに枯れることはないでしょう。それがたとえあなたに見えなかったとしても。

 

愛は見えるものではなくて、タイムラグがあって、ほしいカタチではないことも多いけれど、愛を注いでいる側からは紛れもなく愛です。

 

めちゃくちゃ自分の子どもに厳しかった女の子のママもそうでしょう。

 

言うこと聞かない娘のことを叱りながら、それでも「嫌い」だから叱ったわけではないのです。むしろ「愛しているから」叱ったのです。だから、女の子たちは「愛されている」ということは「叱られること」と受け取ったのです。

 

彼女たちが大人になって、優しくされることに不器用になるのはなんとなく見えてきます。「傷つかない愛なんてあるの?」と、慎重になるのも見えてくるでしょう。

 

それでも、彼女たちが勇気をもって、誰かから優しくされることに慣れていけたら、「お母さんの愛の渡し方」とは違う「彼女たちにとって望ましい愛の渡し方」が、この世の中には存在することを知ることができます。

 

お母さんの愛を小さい身体で受けとめて、受けとめ続けてきた昔。

 

オトナになった今は、自分の意思で、自分の選択肢として、ほしい愛を受け取ったり選び取ったりできる。

 

お母さんの愛が、私のほしい愛じゃなかったとしても、私は私の心地よさを感じられる愛を創っていける。

 

そのために、小さかった自分を癒して、言えなかった自分を赦して、心の声に耳を傾けられるようになること、私はお伝えしています。

 

 

改めて、今日のメッセージ

 

子育て:良い子に育ちますように、の「良い子」って?

 

誰もが元々そこにいるだけで「良い子」です。

すでにあるものをお願いしても、それ以上のものは現れません。

 

というか「良い子」よりももっと、その存在が大事なんです。

あなたのお子さんがそこに居ることが「素晴らしいこと」だから。

 

子どもに無理難題を吹っかけてしまうとしたら、あなた自身があなたに無理難題を吹っかけているのです。子育て中のお母さんからのご相談もお受けしています。初回カウンセリングでお話ししてみませんか。

 


 

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